遺留分に関する判例

あたらしい判例についてご紹介したいと思います。

最高裁判所第二小法廷(平成28年2月26日 平成26(受)1312)

【原審】東京高等裁判所(平成26年3月19日  平成25(ネ)6532)

【事例】

死後認知で相続人となったものが他の相続人に価額償還請求をした場合の金額算定の時期はいつか?及び履行遅滞に陥る時期はいつか?

【判決要旨】

1.相続開始後に認知した相続人が他の共同相続人に対して民法910条に基づき価額の支払いを請求する場合における遺産の価額算定の基準時は価額の支払いを請求した時とすべき。

民法910条に基づく価額償還は他の共同相続人と認知された者との利害の調整を測る目的であるところ、認知されたものが価額の支払いを請求した時点までの遺産の価額のj変動を他の共同相続人が支払うべき金額に反映させるとともに、その時点で田立に当該金額を算定できるとすることが当事者間の衡平の観点から相当であるといえるからである。

2.民法910条に基づく他の共同相続人の価額の支払債務は、期限の定めの無い債務だから、履行の請求を受けた時に遅滞に陥る。

相続の話合いがまとまってからしばらくたって、価格償還する場合に、相続財産が増えていれば後の期限がよいといえますし、相続財産が減っていれば先の期限がよいということになりそうです。

この判決では公平の観点から、請求したときに相続財産の評価が確定し、そこから遅延損害金の計算がなされるべきとされたところがポイントですね。

最近の記事

PAGE TOP